勤続30年の銀行員が、商売抜きでオススメする投資ランキング

「投資」と聞いてなにをイメージしますか?

では「不動産投資」にはどのような印象を抱くでしょうか?

私は勤続30年以上の銀行員として、日ごろの業務では投資や運用をお客様に提案しています。しかし銀行員という商売抜きで考えるなら、不動産投資がオススメです 。

そこで今回は、そんな銀行員が考える「オススメできる投資」をランキング形式で解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

投資とは?~貯蓄、投資、投機はどう違うの?

投資ランキングに入る前に、そもそも投資とはなにか?ここから解説することにします。

普段使っている貯蓄、投資、投機などの言葉は、わかっているようで、実はその意味や違いを整然と説明できる人は少ないと思います。(銀行員の私もその1人です)

ここは銀行協会の引用が簡潔明瞭なので、そのまま引用します。

 資産運用するにあたって、「貯蓄と投資」「投資と投機」の違いを理解することが大切です。貯蓄とは、お金を貯めて蓄えること、貯蓄に対して投資は、将来が有望な投資先に、長期的に資金を投じることです。そして、投資に対して投機とは、相場の変動を利用して利益を得ようとする短期的な取引であり、相場によっては大きな損失が発生する可能性があります。投資には必ずしも元本保証があるわけではありませんが、長い目でお金を増やしていくところが、投機とは異なります。

<「一般社団法人全国銀行協会/教えて!くらしと銀行/B.貯蓄する【90秒でわかる!】貯蓄と投資・投資と投機の違い」詳細はこちら

「必ずしも元本保証があるわけではないが、長い目でお金を増やしていくのが投資」

この点をイメージしつつ、投資のランキングでそれぞれの特徴を読み進めてください。

「老後2,000万円」は国の投資キャンペーン?

ところで2019年に話題となった「老後2,000万円問題」を覚えていますか?

金融庁のレポートで

「退職後の夫婦が、蓄えと年金だけで暮らすと、毎月5.5万円不足する」

「2人が30年生きると、不足は2,000万円になる」

(計算式)毎月赤字5.5万円×12ヶ月×30年=1,980万円

「だから老後のための2,000万円を、早いうちから準備しておきましょう!」

と発表されたのが発端になったものです。 

<参考引用 金融庁ホームページ/金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」詳細はこちら

2,000万円問題のもとになったレポートには随所に

「長期分散投資」

「 iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」

「積立NISA」

といったキーワードが出てきます。

つまり、国が投資を推進するキャンペーンとも言えるのです。

2,000万円問題には賛否さまざまな意見が寄せられましたが、投資とは?を考える一つのきっかけになりました。

銀行員のオススメ投資ランキング3選

ではオススメできる投資をランキング形式で解説します。冒頭お話ししたとおり、銀行員としては、販売ノルマや諸々の事情で提案する優先順位といったものがあるのですが、今回は商売抜きなので、本音でランキングしています。

<銀行員のオススメ投資ランキング3選>

 1位 不動産投資

 2位 預貯金

 3位 投資信託

1位 不動産投資【安心度2位 期待度2位】

不動産投資は、自分で不動産を所有して物件の管理、確定申告なども行うので不動産経営とも呼ばれます。

つまり投資であると同時に経営で、自分でいろいろ手が打てるのが不動産投資です。

しかしながら不動産投資も良いことばかりではありません。

上記したように経営として経費と手間がかかります。

預金も投資信託も、自分で掃除したり家賃の心配をしたりすることはありません。

事業という側面があり、不動産投資はほかの投資とは一線を画すものと言えます。

安心度は預貯金と投資信託の中間くらい、期待度も投資信託の「もしかしたら?」というレベルには及ばないため2位ですが、総合的に1位とランキングしました。これは冒頭お話しした通りで、その詳しい理由は下部で解説します。

2位 預貯金【安心度1位 期待度3位】

預貯金の魅力はなんといっても「元本保証」です。

正直言って金利などないに等しく、銀行員としては忸怩たる思いです。

ちなみに現在の利率(ゆうちょ1年定期0.002%/2021年06月07日現在)で2,000万円を30年で準備するには年間約67万円・毎月なら56,000円以上積み立てていく必要があります。

これは「減債基金係数」といって、将来の目標金額を達成するには、今の金利水準が一定だと仮定して、 毎年どれだけの金額を積み立てる必要があるか?を計算する考え方です。

現在の金利では、「毎月5万円以上を30年途切れることなく積み立て」なくては2,000万円貯まりません。

預金は貯蓄ですが、貯えるというよりは、置いておくものと言えます。

 元本保証があり安心度では3つのなかで1位としたいっぽうで、お金が殖える期待度はほぼないため3位です。とはいえ本来なら安定を重んじる銀行員としては総合1位とすべきです。

しかし商売抜きでお話しするなら、投資として考えた場合のリターンの少なさで不動産投資より上位にはできません。

3位 投資信託【安心度3位 期待度1位】

投資信託は投資で、もちろん元本保証はありませんが、「長期」「分散投資」でお金を殖やすことを目指すものです。

お金が増える期待度は3つの中で一番大きく、運用の結果として配当金を受け取るインカムゲインと、購入時より値上げしていれば売却益が得られるキャピタルゲインという2種類のお金が殖える期待があります。

しかしながらインカムゲインもキャピタルゲインもすべては運用次第です。

運用結果によっては損失が大きくなるリスクもあります。

しかも運用は、良くも悪くも運用会社任せなので、自分で何かリカバリーの手を打つこともできません。この点で安心度が最も低い3位で、期待度の1位を勘案しても総合的に最も低い3位としました。

「自分でなんとかできる」不動産投資が一番おすすめ

安定性、堅実性を重んじる銀行員ですが、商売抜きでの本音で考えたランキングでは

1位・不動産投資、2位・預貯金、3位・投資信託となりました。

ところで、ここでもう一つの考え方をお話しします。

それは「自分でなんとかできるか?」という観点です。

預貯金は預けるだけ、投資信託も運用を任せるだけで、あとは自分ではどうすることもできない「待ち」の姿勢です。

いっぽう不動産投資は、人気の物件を探したり、複数物件を所有したり入れ替えたりと、自分でなんとかできる余地が残されています。

そういった意味では期待度も投資信託以上の楽しみを秘めているとも言えるので、オススメ1位が不動産投資と言えるのです。


ライター紹介 
現役銀行員K.T.

 

勤続30年以上、まだまだ現役の銀行員。融資担当として事業資金調達から、住宅ローン、カードローンなど借入全般に従事。そのたかで返済が困難な人の相談にも対応してきました。仕事を通して、数え切れないほどのお客様と会い、相談に乗り、一緒に悩んだ経験では誰にも負けません。