インバウンド需要が不動産市場に与える影響|回復・加速する訪日需要と投資トレンドの行方

【はじめに】“爆買い”再来?インバウンド復活と不動産の関係

2023年から急回復を見せたインバウンド需要は、2024年にはコロナ前の水準に迫り、
2025年には年間4,000万人超の訪日外国人が視野に入る水準へ。

円安・物価差・高品質なサービスが拍車をかけ、宿泊・飲食・不動産を含む
日本の消費資産は再び世界の富裕層・投資家の注目を集めています。

なかでも都市部の不動産市場は、海外からの需要を強く受けやすい分野です。

この記事では、インバウンド需要が不動産市場にもたらす実質的な影響を多角的に掘り下げます。

訪日外国人数はどう推移しているか(最新データ)

観光庁の最新統計によると、訪日外国人数は以下の通り。

訪日外国数主な傾向
2019約3,188万人過去最高(コロナ前)
2020~22約250~400万人パンデミック影響で激減
2023約2,500万人回復基調(約80%水準)
2024約3,200万人完全回復レベルへ
2025約3,800~4,000万人(予測)新記録更新の可能性も


訪日客の中心は中国・韓国・台湾・東南アジア・欧米。

購買力のある富裕層、体験型観光を求める層、リピーターが増加しています。

インバウンド需要が不動産市場に与える4つの影響

① ホテル・簡易宿所・民泊の稼働率上昇 → 土地用途の転換へ
特に京都・大阪・東京など観光都市では、ホテル・民泊用地としての開発ニーズが強まっており、
住居用から観光施設用への土地転用が進行中。

② 一部地域の地価押し上げ
インバウンド人気が集中する一部地域(例:浅草・難波・中洲周辺など)では、
地価が「実需」とは異なる上昇を見せるケースが散見され、地元住民の購入を難しくする場面も。

③ 外国人富裕層による物件購入(投資+別荘ニーズ)
銀座・六本木・表参道などでは、現金購入を前提とした高額物件購入が続いており、
分譲マンションの一部は「外国人向け販売比率が過半」という例も出てきています。

④ 周辺エリアの“波及需要”
主要観光エリアの物件が飽和すると、そこから半径5〜10km圏内の準中心エリアにインバウンド資金が流入。 例:東京の下町や大阪の下限価格帯エリアにおける取引増加

注目されるエリアと物件タイプ

▶エリア 特徴
東京(中央区・港区・台東区) ブランド性・高額物件・民泊対応マンションが人気

大阪(難波・心斎橋・日本橋) 民泊+ホテル用地ニーズ、アジア人投資家の集積地

京都(東山・四条) 景観規制との調整が課題も、文化資産としての価値が上昇

福岡(博多・天神) 東アジア玄関口として注目、リゾートと都市機能の両立

北海道(札幌・ニセコ) 別荘・スキー資産、インフラ整備後の将来的リターン見込み

物件タイプでは、次のような形が主に選ばれています
1棟ホテル・民泊用マンション
高級ワンルーム・1LDK(短期滞在者向け)
リゾート型セカンドハウス・別荘地物件
管理委託可能な区分マンション

海外投資マネーはどこに流れる?チャイナマネー以降の変化

以前は中国人富裕層による「爆買い」が注目されましたが、 最近では次のように出資国の多様化・分散化が進んでいます。

出資国傾向
香港台湾代理購入や法人登記での取得が主流に
シンガポールマレーシア投資・法人節税目的での日本物件購入が増加
欧米(特にオーストラリア)リモートワークセカンドベースとしての利用ニーズ

2025年以降、これらの国からの中長期滞在型投資が増えることで、 地方都市や温泉地などにも需要が波及すると予測されています。

2025年以降の展望とリスク要因

✅ ポジティブ要因

1.円安基調が継続 → 外貨建てでの日本不動産が割安

2.ビザ・税制の整備が進行中(特に居住権や法人優遇措置)

3.日本の治安・サービス品質・医療制度への高評価

⚠ リスク要因

1.世界的な金融引き締め → 投資マネーの縮小懸念

2.地政学リスク → 特定国からの資金が不安定に

3.民泊・ホテル規制の強化 → 利回り予測の不確実性

【まとめ】インバウンドを読み解くことが不動産戦略の鍵に

今後の不動産戦略において、インバウンド需要はもはや「一時的な影響」ではなく、 構造的・持続的に日本の都市部市場を形成する要因になりつつあります。

✅ 不動産価格の“不可解な高止まり”の理由の一つは、インバウンドマネーにある

✅ 購入検討・投資判断の際には、海外需要とその将来性を加味すべき

✅ 特に「出口戦略」において、海外投資家への再販という選択肢が重要に

インバウンドの波をチャンスにするかどうかは、 その“構造”を理解し、ローカル視点にとどまらない戦略を立てられるかにかかっています。

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