
【はじめに】不動産価格の行方を占う

2025年、日本の不動産市場は高値圏で推移しています。
東京23区の新築マンション平均価格は1億1,630万円、首都圏全体では9,300万円と過去最高水準です。
しかし、金利上昇や買い手の慎重な姿勢から、市場には「買い控え」や「様子見」の動きも広がっています。
価格は今後も上がるのか、反転するのか。
この記事では、2025年の不動産価格を左右する3つの要因を解説し、賢い判断のヒントを提供します。
【要因1】金利上昇が購買力に与える影響

・住宅ローンの負担増
2024年3月の日銀マイナス金利解除後、政策金利は0.25%から0.5%に上昇しました。
フラット35の固定金利は1.84%、変動金利は1.2%から1.5%に達しています。
4,000万円の30年ローンでは、月々の返済額が約1万円増加。
一次取得層や共働き世帯の予算が縮小し、郊外や中価格帯の物件需要が弱まっています。
・投資家の利回り圧縮
投資用不動産ローンの金利も2.5%を超え、利回り4%以下の物件では収益性が低下。
郊外や地方の物件では融資審査が厳格化し、価格下落のリスクが高まっています。
【要因2】建築コストの高止まり

・資材と人件費の上昇
コンクリートや鉄骨の価格はコロナ禍以降の高水準を維持し、建設費は2024年から15%から20%上昇しています。建設業界の労働力不足は深刻で、不足率は30%を超えます。
再開発エリア(例:港区虎ノ門)の施工集中や、海外情勢(ロシア・ウクライナ紛争)による資源価格高騰も
コストを押し上げています。
・新築価格の硬直化
デベロッパーは供給を絞り、2024年の首都圏新築マンション供給戸数は前年比10%減です。
小戸数・高単価物件で価格を維持する戦略が続き、新築価格の下落は見込みにくい状況です。
【要因3】需給バランスと買い手の変化

買い手層の変化
価格上昇を支えた層に変化が見られます。
- 実需層:物価高(消費者物価指数2.5%増)と金利上昇で、一次取得層の買い控えが顕著。
- 投資家:融資制限と利回り低下により、投資総額は2024年比5%減。
- 外国人投資家:円安(1ドル約150円)で香港やシンガポールからの投資は堅調(2024年総額7,400億円)だが、中国本土は国内規制強化で減速。
新たな需要
2025年問題(高齢者人口18%超)により、シニア向けコンパクト物件や賃貸需要が増加。
ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大で、ZEH対応物件が機関投資家に選ばれています。
地域・物件による二極化の加速

| カテゴリー | 価格動向(予想) | 要因 |
|---|---|---|
| 都心・駅近の新築 | 高止まりまたは微増 | 希少性、ESG対応、賃貸需要 |
| 中古マンション(好立地) | 安定または微増 | 築浅、管理良好、流動性高い |
| 築古・郊外・地方 | 下落または停滞 | 供給過多、災害リスク、流動性低い |
【まとめ】3つの軸で賢い選択を

2025年の不動産価格を左右する要因は以下の3つです。
- 金利上昇:住宅ローンと投資ローンの負担増で購買力低下。
- 建築コスト:新築価格の高止まりを支える。
- 需給バランス:実需・投資家の慎重化と新たな需要(シニア、ESG)の台頭。
市場は一律に「上がる/下がる」ではなく、立地や物件で二極化が進みます。
都心の資産性高い物件は高止まり、郊外や築古物件は下落リスクが強まります。
以下のポイントを参考に戦略を。
- 実需層:予算内で駅近・耐震性の高い物件を選び、住宅ローン控除(借入限度額4,500万円)を活用。
- 投資家:賃貸需要の強いコンパクト物件やZEH対応物件を優先。
- 実務者:顧客に立地、流動性、ESGの価値をデータ(例:価格動向、補助金)を用いて説明。
地政学リスクや不動産テックの進化を注視し、2025年の市場で賢い選択をしましょう。



