
【はじめに】地価上昇はどこまで続くのか?

2025年、日本の地価は全国的に上昇を続け、住宅地・商業地・工業地いずれも前年を上回る伸びを記録しています。
特に、東京の再開発エリアや、半導体関連投資が進む地方都市では過去最高水準の上昇が見られ、
「買い時は今か」「天井に近いのか」といった疑問が広がっています。
本記事では、国土交通省や不動産経済研究所の最新データをもとに、全国平均の地価推移、地域ごとの傾向、
今後の見通しをわかりやすく解説します。
全国平均の地価推移(2022〜2025年)

国土交通省の2025年公示地価によると、全国の地価は以下の通り推移しています。
| 年度 | 全用途平均 | 住宅地平均 | 商業地平均 | 工業地平均 |
|---|---|---|---|---|
| 2022 | +0.6% | +0.5% | +1.0% | +1.2% |
| 2023 | +1.6% | +1.4% | +2.1% | +2.5% |
| 2024 | +2.3% | +2.0% | +3.1% | +3.8% |
| 2025 | +2.7% | +2.1% | +3.9% | +4.8% |
2025年は全用途平均で+2.7%と、1991年以来の最大の伸び率を記録。
商業地と工業地の伸びが特に顕著で、観光需要や物流・産業投資が地価を押し上げています。
住宅地も堅調だが、都市部と地方の二極化が鮮明です。
地域別に見る上昇トレンドと注目エリア

三大都市圏(東京・大阪・名古屋)
- 東京圏:+5.2%(港区・渋谷区は+6.5%超)。虎ノ門・品川の再開発や駅直結複合施設が牽引。
- 大阪圏:+3.3%(梅田・阿倍野の再開発、2025年万博効果)。
- 名古屋圏:+2.8%(リニア中央新幹線開業を見据えた投資継続)。
地方中枢都市(札幌・仙台・広島・福岡)
- 平均+5.8%の上昇。福岡市博多エリア(+7.2%)や広島駅周辺(+6.0%)が牽引。観光と企業進出が背景。
特別上昇地域
- 北海道千歳市:商業地+40%(2024年ピーク+48.8%から鈍化)。Rapidus半導体工場の建設で住宅・オフィス需要が急増。
- 沖縄那覇市:住宅地+7.5%。インバウンド観光と移住需要が地価を押し上げ。
- 熊本県菊陽町:商業地+10%。TSMC半導体工場の影響で雇用・インフラ投資が活発。
下落地域
- 石川県輪島市:-17.1%。能登半島地震の影響で復興遅れが地価に反映。
【今後の見通し】地価上昇が鈍化する3つの要因

地価は現在「上昇継続」の様相ですが、2026年以降は鈍化や反転の可能性があります。
以下の3要因を注視しましょう。
① 金利上昇と金融政策の転換
日銀の政策金利は0.5%(2025年6月時点)、フラット35金利は1.84%。
4,000万円の30年ローンで月々返済額が約1万円増。
投資利回りの悪化や住宅購入マインドの冷え込みが、地価に下押し圧力を与える可能性があります。
② 人口動態と都市集中の限界
都市部への人口流入は続くが、全国の人口減少は加速(2025年問題:高齢者18%超)。
地方中小都市や郊外では空き家増加(全国820万戸)が地価下落圧力に。
シニア向けコンパクト物件の需要は増加。
③ 海外資本と地政学リスク
円安(1ドル約150円)で外国人投資は堅調(2024年総額7,400億円)。
しかし、米中対立や台湾有事の懸念、投資規制強化が投資マネーの引き上げリスクに。
ESG投資(例:ZEH対応用地)は新たな需要源。
追加要因
【まとめ】“天井”を見極めるための視点

2025年の日本の地価は、商業地・工業地を中心に1991年以来の大幅上昇を記録し、強気相場が続いています。しかし、金利上昇や人口動態、地政学リスクが今後の鈍化要因となる可能性があります。
地価の見極めポイント
- 短期的な急騰は反動リスクが高い。人口・産業・インフラの裏付けを確認。
- 再販や運用の「出口戦略」を明確に(例:賃貸需要の高い立地)。
- 「どこでも上がる」時代は終わり、「選ばれるエリア」が勝つ。
地価の天井を見極めるには、立地、流動性、ESG対応、災害耐性を総合的に評価し、データに基づく冷静な判断が不可欠です。2025年は二極化とリスクを注視し、戦略的な投資・購入を進めましょう。



