
【はじめに】中国マネーが東京に流れ込む背景

2020年代に入ってから、中国の富裕層による東京不動産への投資が急速に増加しています。
きっかけとなったのは、中国本土での不動産バブル崩壊懸念と資産規制の強化です。
中国政府は国内の不動産価格高騰を抑えるために、住宅購入に制限をかけたり、資金の国外持ち出しを
厳しく監視するようになりました。
その結果、資産を守りたい富裕層は「海外に資産を移す」動きに出ています。
では、なぜ数ある都市の中で「東京」が選ばれるのでしょうか?
- 円安の恩恵:例えば2012年頃は1ドル=80円台でしたが、2025年には150円近くまで円安が進行。
中国の投資家にとっては「東京のマンションが半額セールに見える」状態です。 - 政治的安定と治安:香港やシンガポールと比べても、日本は治安が良く、資産保全に向いていると
評価されています。 - 教育と医療:子供の留学や将来の生活を見据え、親世代が「日本に拠点を持つ」ことを好むケースが
増えています。
こうして、東京は中国富裕層にとって「投資と生活拠点の両立ができる都市」として注目されるようになったのです。
中国富裕層が購入するマンションの傾向

実際に取引されている物件を見ると、いくつかの共通点があります。
現金一括購入が多い
日本の金融機関からローンを借りるのは難しいため、中国富裕層は現金で一括購入することが珍しくありません。そのため、取引がスピーディーに成立します。
立地は一等地のみ
港区・千代田区・渋谷区が特に人気。六本木や赤坂、表参道は「ブランドエリア」として絶大な支持を集めています。
高級・大型マンションが中心
ファミリータイプよりも、億単位の価格帯であるタワーマンションやブランドマンションが好まれます。
実需と投資の両立
投資用に購入するケースもあれば、子供の留学先の住まいとして買うケースも多いのが特徴です。
市場への影響

こうした購入が、東京の不動産市場にどのような変化をもたらしているのでしょうか?
バブル懸念
海外投資家のマネーが過度に集中すれば、価格は実需を超えて上昇し、バブルを引き起こすリスクもあります。バブルが崩壊すれば市場全体に大きなショックが及ぶ可能性も否定できません。
価格上昇圧力
富裕層による購入競争が激しくなり、都心部の高級マンション価格はさらに上昇。
国内の一般家庭が手を出せない水準に達しつつあります。
高額帯市場の活性化
1億円を超える高級物件は、かつては流動性が低いとされていました。しかし中国マネーの流入により、売買が
活発化。デベロッパーもこの層を狙った物件開発に力を入れています。
賃貸市場への波及
投資用に購入されたマンションは賃貸に回され、外資系企業の駐在員や外交官向けの高級賃貸として提供されるケースが増加。家賃相場にも影響を与えています。
歴史的視点から見た外国人投資の波

実は、外国人投資家による日本不動産への資金流入は今回が初めてではありません。
- 1980年代後半:バブル期にはアメリカや中東マネーが日本の不動産に殺到。
帝国ホテルやロックフェラーセンターの買収劇は今でも語り草です。 - 2010年代以降:アジア圏の投資家が新たなプレイヤーとして台頭。
特に中国人投資家の存在感が強まりました。
この歴史を振り返ると、海外マネーが日本市場に「波」として流れ込むことは周期的に
起こっているといえます。
政策と規制の動き

現在、日本では外国人の不動産購入を制限する法律はほとんど存在しません。ただし、防衛上重要な土地については規制を検討する動きもあり、今後は外国人投資への制限が強まる可能性もあります。
それでも、国際都市としての東京の魅力を考えると、完全に海外マネーを締め出すことは現実的ではなく、
「どうバランスを取るか」が今後の大きな課題となるでしょう。
今後の展望

・短期的には円安が続く限り、中国マネーの流入は強い
・長期的には金利上昇や規制強化によって調整が起きる可能性
・デベロッパーや不動産会社は国際的な需要を前提にした戦略を取る必要がある
つまり、中国富裕層による東京マンション購入は「一過性のブーム」ではなく、日本の不動産市場を
グローバル化させる大きな転換点とも言えるのです。
【まとめ】東京マンションを巡る中国マネーの攻防戦

中国富裕層の高級マンション購入は、
- 資産分散、円安メリット、教育目的で加速
- 都心高級物件の価格を押し上げ
- 不動産市場を国際化させる
まさに、東京の不動産市場は「国内需要中心」から「グローバル資本と共存する都市」へと変貌しています。
この攻防戦は今後も続くため、投資家や不動産事業者は注視が欠かせません。



