
【はじめに】新築マンションは“高くて当たり前”の時代?

2025年春、都心の新築マンション価格は平均1億円超という、かつては一部富裕層の話だったような価格帯に突入しました。
特に東京23区では、ファミリータイプでも単価120〜150万円/㎡という価格帯が珍しくなくなっています。
「これって本当に買えるのか?」 「もう手遅れなのでは?」 そうした声が増えている
今、あらためて新築マンション価格の現状と今後について冷静に見つめ直す必要があります。
【データで見る】新築価格はどれだけ上がったのか

まずは、実際のデータを確認してみましょう。
▶首都圏の新築マンション価格推移(平均価格)
年度 首都圏平均価格 東京23区平均価格
| 年度 | 首都圏平均価格 | 東京23区平均価格 |
| 2015 | 約4,500万円 | 約6,000万円 |
| 2020 | 約6,000万円 | 約7,500万円 |
| 2023 | 約7,800万円 | 約9,000万円 |
| 2024 | 約8,200万円 | 約1億円超 |
出典:不動産経済研究所・リクルートSUUMO調査
この10年で、首都圏の平均価格は約1.8倍、東京23区では1.6倍以上に高騰しています。
特に2020年以降の上昇が顕著で、“異常な価格水準”と感じるのも無理はありません。
なぜここまで高くなった?価格上昇の4つの理由

① 建築費の高騰(資材+人件費)
鉄筋やコンクリートといった主要資材の価格はコロナ後に世界的に上昇し、
建設現場の人手不足と相まって、建築コストが上がり続けています。
② 用地取得競争の激化
マンション用地の取得にはホテルやオフィスビル、物流施設などとの競争が生じており、
都心一等地の土地価格はさらに高騰。
③ 供給戸数の減少
2024年の新築マンション供給数は、首都圏で前年比14.4%減、東京23区では30.5%減
(不動産経済研究所)。希少性が上がれば当然価格も上がります。
④ 富裕層・インバウンド需要の増加
都心高額物件は「日本人には高すぎる」と言われつつも、国内富裕層や海外投資家が購入しており、
需要は底堅いのが実情です。
買えない層が増えている?現場で起きている異変

高騰の裏で、購入者の動向にも変化が出ています。
- 20代〜30代の一次取得層の申込件数が減少
- 中古マンション市場や郊外エリアへのシフト
- モデルルーム来場は増えても、契約に至らないケースが続出
つまり、「買いたいけど手が出ない」人が増えている一方で、投資・相続目的の購入者が市場を支えているという構図です。
【2025年以降の価格予測】専門家の3つのシナリオ

シナリオ①:高止まり継続(最も現実的)
建築費・土地代が下がらない限り、価格は大きく下がらない。
東京23区は1億円前後で横ばい、近郊でやや調整。
シナリオ②:一部エリアで価格調整
市況悪化や金利上昇により、売れ残り物件が値引きされる可能性。
ただし立地・ブランド力の強い物件は下がりにくい
シナリリオ③:ラグジュアリー化・富裕層特化
売れないから値下げ…ではなく「さらに高級化・設備充実」で差別化 。
価格は上がるが、対象者はますます限定的に。
【高騰相場での賢い戦い方】実需・投資それぞれの選択肢勝ち組エリアの条件とは?

実需購入者の場合
「新築」へのこだわりを捨て、中古+リノベの選択肢を 「買える時に買う」ではなく、「出口も見据えて買う」視点を持つ 資金に余裕があれば、「駅近の中古を子世代向けに購入」も有効
投資目的の購入者の場合
「新築マンション投資」は、値上がり益は期待しづらい 家賃収入よりも、相続対策・長期保有資産としての活用が中心に 築浅中古や賃貸中ファミリー物件など、他の戦略との比較検討が必要
【まとめ】「買えない」ではなく「戦略的に買う」時代へ

新築マンション価格の高騰は、単なるバブルではなく構造的な背景がある現象です。
建築コストは高止まり 土地価格も下がらない 供給数も減っている この「3点セット」が改善しない限り、
価格が大幅に下がることは考えづらい状況です。
だからこそ、不動産購入において重要なのは、価格の上下に一喜一憂することではなく、
「自分にとって価値ある買い方を選ぶこと」 「5年後・10年後の出口まで設計すること」 という視野の広さと計画性です。
マイホームでも、投資でも。 今後は「買うか・買わないか」ではなく、
「どう買うか・どんな物件を選ぶか」が問われる時代に入ったのです。



